●法律を学べば泣き寝入りしなくてよくなる

 法律を学ぶ意義っていったい何でしょうか。

 法律学者であれば、きっといろいろな持論があるでしょう。
 
 私は法律学者ではありませんが、40歳をすぎて某大学の法学部に学士入学し、法律を学んでおけばこんないいこいとがあるんだなぁという感想を抱くようになりました。

 その中でも一番大きいのは、法律を学んでおけば泣き寝入りをしなくてよくなるということです。
 つまり、だれかにひどい目に合わされたら、対等な立場で話し合いに臨めるということです。

 強い者は、都合が悪くなったら、弱い者をねじ伏せてすべてを済まそうとします。なぜなら、自分の非を認めて相手に償うより、相手を泣き寝入りさせておいたほうが楽だからです。

 こういう場合、弱い者は、法律を知らなければ、泣き寝入りするしかなくなります。
 強い者に復讐するという手も考えられますが、法治国家である日本では自力救済は認められていないため、そんなことをすれば自ら墓穴を掘ることになります。

 しかし、法律を学んでおけば、泣き寝入りすることなく、相手と対等な立場でとことん話し合いができるようになります。

 具体的には、当事者同士での話し合いをして、どうも相手が都合のいいことしか言わないと判断すれば、相手の同意を得た上で調停を申し立てることもできるし、調停でも話し合いが無理だと思えば訴訟を起こすこともできるということです。

 法律を学べば分かることですが、調停にしろ訴訟にしろ、1人でできます。
 しかも、訴訟をするにしてもその費用は訴訟物の価格の1%ていど。
 200万円なら2万円、500万円なら5万円ていどですむのです。

 もちろん、法律を学ぶ意義は他にもあるでしょうし、そちらのほうが重要かもしれません。
 しかし、自分自身を守るという点も法律を学ぶ大きな意義の一つといっていいと思います。

 実際、「1人でも訴訟を起こせるんだ」という自信が持てれば、とても安心して生きていけるようになります。

 なお、1人で訴訟を起こしたいという人にぜひお薦めの本があります。
 『訴訟は本人で出来る 改訂新版 』です。
 これを読んでおけば、ますます1人で訴訟をする自信が湧いてきます。