●裁判を傍聴してみよう

 このページをご覧の方の中にも裁判を傍聴してみたいという人もいらっしゃることと思います。そんな人のために裁判の傍聴についてお話ししたいと思います。(なお、私が傍聴したのは東京地方裁判所・東京高等裁判所ですので、そこでの経験がベースとなっていることをご理解ください)。

 傍聴したくても裁判所までなかなか足が向かないという人は、きっとこんなことを思っているのではないでしょうか。

「テレビや映画などで法廷が映し出されているのを見て、実際に生で裁判を傍聴してみたいとは思うが、なんとなく気が引けてしまう。1人で見に行っても大丈夫なのだろうか。被告人にジロッとにらまれたりすることはないのだろうか」

 私自身、こんなことを考えていたため、なかなか裁判の傍聴に行く気になれませんでした。一緒に行ってくれる友達でもいれば心強いのですが、どうも一人きりでは行く気になれないのでした。

 ある日のこと、傍聴とは関係なく私用で裁判所に行く機会がありました。

 裁判所というのは、行き慣れていない人にとっては非常に重苦しい所です。自分が悪いことをしていなくても、なんとなく悪いことをやったかのような気分にもなります。きっとそれは裁判所が人を裁く場所だからではないかと思います。

 それはともかく、そのとき私は、せっかく裁判所まで来たのだから傍聴してみるか、万が一、被告人にジロッと睨まれたら、そそくさと法廷から抜け出せばいいだろう、という気になり、その日に行われている公開の裁判のリストを見ました。

 リストは1階の案内のところにおいてあり、自由に閲覧できます。
 リストは地方民事、地方刑事、高等民事、高等刑事、知財と複数のリストが別々になっており、何時から何号法廷で誰の何という裁判があるかが記載されてあります。

 傍聴したいと思えば、そのリストの中から傍聴したいと思う裁判を選んで、開廷時刻に該当する法廷に入っていけばいいだけのことです。多数の傍聴人が見込まれる裁判の場合は、予め傍聴券を取得しなければなりませんが、それ以外の裁判はいきなり当日に行って当日傍聴することができます。ほとんどの裁判は傍聴券なしで傍聴できます。
 
 傍聴人として求めれることは、携帯電話の電源を切っておくこと、静かにしておくこと、開廷と閉廷の際に起立して礼をすること程度です。なにも難しいことはありませんし、ましてや怖いことなどまったくありません。1人で行っても大丈夫です。

 被告人にジロッと睨まれるのではないかという心配もあまりしなくていいと思います。そういうことはあまりないし、あっても、別にどうったことはないです。(私は5度くらい見に行き、1回被告人と一瞬目が合ったような気がしましたが、かといって傍聴席から眺めている分は、別にどうったこともありませんでした)。

 まとめれば、裁判の傍聴は簡単に1人だけでできます、ということが言えます。

 もっと詳しく知りたい人は、『法廷傍聴へ行こう 』を読まれることをお勧めします。