●避けて通れない困難を「必須科目」と考える

 困難なことにぶつかったとき、私たちはよく思うものです。

 「この問題さえなかったら、すべてがスムーズに行くのだけどなぁ」
 「この人さえいなかったら、すべてが円満に行くのになぁ」
 「この科目さえなかったら、他の科目はすべて順調なんだけどなぁ」…

 その困難が「避けて通ることができるもの」であれば、避けて通ればいいでしょう。
 それはいわば「選択科目」のようなものです。
 無理に真っ正面から取り組まなくても、「必修」ではないのですから避けて通ればいいだけのことなのです。

 しかし、人生には避けて通れない困難がつきまといます。
 それは、いわば「必修科目」のようなものです。
 学校における「必修科目」を落としてしまうと卒業できないのと同じで、人生の「必修科目」も避けてしまうと前に進まなくなってしまうのです。

 人生の「必修科目」には、さまざまなものがあります。
 
 病弱な親の介護、子育て、お金を稼ぐための仕事、健康管理など。

 「この問題さえなかったら、すべてがスムーズに行くのだけどなぁ」
 「この人さえいなかったら、すべてが円満に行くのになぁ」
 「この科目さえなかったら、他の科目はすべて順調なのだけどなぁ」…

 こう思うことがあったら、すぐさま心を入れ替えましょう。

 その「避けられない困難」は自分にとっての「必修科目」なのだと。

 学業における「必修科目」は、次のステップに進むために「どうしても必要」だからこそ、必修となっているのです。

 それと同じで、人生における「必修科目」も、自分が人間として成長するために「どうしても必要」なのだと腹をくくることです。
 
 避けては通れないのです。避けて通れば、人間として「進級」できないのです。だから面と向かって取り組むしかないのです。

 いったんそう腹をくくってしまえば、少々困難なことにぶつかっても不満がでてこなくなるはずです。