●他人と自分を比較するのを止める

 多くの人は他人と比較されながら育ちます。
 
 その最たる例が学校の成績の相対評価でしょう。

 相対評価は、他人と比べたとき自分がどの位置にあるかという評価です。
 ですから、良い評価を得ようと思えば、他人に勝つことが重要になってくるのです。
 勉強の本来の意味は知識を身につけることにありますが、他人よりも一点でも多く点数を取ることが目標になってしまうのです。

 しかし、このような環境で過ごしていれば、どんなことをするのも他人が基準になってしまうでしょう。

 本来は、自分に与えられた環境の中でベストを尽くせばそれで満点なのです。
 たとえ他人と比べて劣っていようが関係がないのです。
 なのに、相対評価で自分の能力を計ろうとすれば、どうしても他人と自分を比較する癖がついてしまいます。

 いきおい、ベストを尽くしても他人より劣っていれば落胆することになります。
 逆に、ベストを尽くしていなくても他人より勝っていれば浮かれてしまうことになるでしょう。
 いずれにしても愚かなことです。

 人はそれぞれ異なった環境に育ち、異なった環境に住んでいるのです。
 環境の差もあれば、条件の差もあります。
 特に社会人ともなれば、その差はかなり大きなものとなるでしょう。
 なのに、他人と自分とを一つの物差しだけで比較し、優越感や劣等感を抱くことは滑稽なことです。

 他人と自分を比べることはやめることです。
 他人は他人。
 人はそれぞれ自分の環境の中で生きているのであって、他人の環境と自分の環境は違う以上、比較すること自体、愚かなことなのです。

 それでも、つい他人と自分を比較して自分を見失ってしまう人は、他人の情報を耳に入れないようにしましょう。
 そうすれば心を乱されることなく、ベストを尽くせます。
 それでいいのです。

 そのほうが何倍も集中して目標に向かって努力できるのです。