●つきあう人を理想化しない

 私たちは他人とつきあえば、大なり小なり、その人から影響を受けます。
 ですから、つきあう人は慎重に選ばなければなりません。
 特にプライベートでつきあう人は「利己的」と言っていいほど慎重になるべきです。

 ただし、つきあう人が見つかったとしても、相手を理想化しないことです。
 なぜなら、あなたが理想化するような人はこの世には存在しないからです。

 ある人生相談の番組で、既婚女性が離婚を考えていることを打ち明けました。

 離婚したくなった原因というのが、自分が病気で寝込んでいるときに、旦那が友達夫婦と遊びに行き、帰宅してから、自分より若い友人の妻のことを「かわいい」と褒めたことが癪にさわったのことでした。

「私が病気で寝込んでいるのに、自分だけ遊びに行って、他の女性に気をとられるなんて許せない。今まで旦那のことはずっと理想の男性だと思って尊敬していたが、タダのおじさんじゃないかって思った。100年の恋も一瞬にして冷めた。こんな人とはやっていけない!」

 彼女の相談に対し、2名の回答者はこう答えていました。

「あなたは旦那さんを理想化しすぎていたのではないですか。旦那さんが若い女性を見て『かわいい』と思うくらいはむしろ自然なことですよ。あなたは自分に足りないところを、理想化した旦那さんで解消しようとしていたのではないですか。理想の男性に恋するより、『タダのおじさん』に恋したほうが、人生、何倍も幸せになれるのですよ」

 理想の男性に恋しようと思えば、いつ幻滅させられるか分かったものではありません。
 なぜなら、そんな理想の男性などこの世に存在しないからです。
 先の女性のように、ほんのちょっとしたことも幻滅の原因になってしまいます。

 一方、「タダのおじさん」に恋すれば、遙かに素晴らしい恋愛ができます。

 相手は「タダのおじさん」に過ぎない。
 それは分かっている。
 たまには幻滅する姿すら見せる。
 でも、この人にはこんないいところがある。
 
 そういう加点法の見方ができれば、幻滅することが少なくなるのです。

 もう一度言います。
 あなたが理想とする人などこの世に存在しないのです。
 「理想の人」は、たんにあなたが想像している偶像にすぎません。
 
 相手を理想化するのはやめ、相手の「ありのまま」を見ましょう。
 それができるようになれば、相手に幻滅することも少なくなり、それだけ幸せになれるのです。