●急がば回る
ほとんどの人は、期待した結果を早く出そうとするがあまり、効率ばかり求めます。
それが顕著に表れるのが試験でしょう。
試験を受けるからには、当然、誰しも合格したいと思うわけです。
合格したいという思いが強ければ強いほど、点が稼げそうなところを重点的に勉強しようとするわけです。
極端な場合、試験に出そうにない箇所は一切勉強しない、という勉強のしかたになります。いわゆる「山を張る」勉強の仕方です。
山を張って勉強したほうが、一見、効率が良さそうに思えます。
しかし、気をつけなければならないのは、それはあくまで「合格する」という観点からのみ効率が良いというに過ぎないということです。
「本当の実力をつける」という観点から言えば、効率は良くないどころか、むしろ悪いのです。
なぜなら、山を張ったところがたまたま出て合格してしまったら、それで慢心してしまうからです。
特に合格することそのものを目標としている人であれば、合格した時点でその科目の勉強は止めてしまうでしょう。
本当の実力がついてないのに勉強を止めてしまうわけですから、「本当の実力をつける」という観点から見れば、目標は達成されないまま終わったことになります。
逆に、山を張らずに勉強をするとしたらどうでしょうか。山を張らないのですから、試験に出そうなところも出そうにないところも、まんべんなく勉強しなければなりません。
当然、時間も労力もかかります。一見、効率は悪いように見えます。
たしかに、「合格する」という観点から見れば、効率は悪いでしょう。しかし、本当の実力が備わっていないのに合格するという「間違い」が起きる心配はありません。
その分、不合格の憂き目に遭う可能性も高いわけですが、不合格になっても、さらに合格を目指してがんばっていれば、「本当の実力」が徐々についてくるはずなのです。
そういう点では、たまたま張った山が当たって合格して慢心するよりも、「本当の実力」はつきやすいといえます。
「本当の実力」をつけたいのなら、期待した結果を効率良く出すことばかり考えないほうがよいということを覚えておきましょう。
「本当の実力」は、むしろ遠回りしたほうがつきやすいのです。
ゆったりした気持ちで「本当の実力」をつけることに専念しましょう。
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