●善い集団に属する
人間は社会的な動物だと言われています。
言い換えれば、人間はある集団に属してしまうと、本人が意識しようがしまいが社会化されてしまう動物だということです。
では、「社会化」とはいったいどういうことを言うのでしょうか。
社会化とは「ある集団に属する人たちとの相互作用を通して、その集団の価値観を内面化することで、その集団にとけ込み、集団生活が営めるようになること」を言います。
平たくいえば、良くも悪くも、朱に交われば赤くなる、ということです。
気をつけなければならないことは、悪い集団に属していれば、いくら本人がしっかりしていても、知らず知らずのうちに、自分もその集団の色に染まってしまうということです。
しかし、逆に善い集団に属してさえすれば、自分もその集団の「善さ」が身に付いてきます。
意識して「善さ」を身につけようとする場合の社会化を「模倣」といいますが、特に意識しなくても「善さ」が身に付くこともあります。知らず知らずのうちに、善い刺激を受け、自分もがんばろうと努力する場合がそれで、それを「薫化」と言います。
自分一人の力で集団のカラーを変えることは非常に困難なことです。悪い集団の場合はなおさらでしょう。
例えば、競馬だ、パチンコだ、麻雀だと快楽追求が好きな人たちばかりと付き合っていれば、知らず知らずに、自分もそのような人間に成り下がってしまいます。
あるいは学問を志そうと決心したのであれば、学問が好きな人たちの輪の中に自ら入っていくことです。
そのような集団に入れば、善い刺激を受けて「薫化」され、気がついたらいつの間にか学問が好きになっているでしょう。
社会化のもつ力を過小評価してはなりません。
善い人間になりたいと思うならば、善いと思えない人たちからは遠ざかり、善いと思える人たちの輪の中に入り、自ら「薫化」を受けることです。
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