ドイツ語単語の効果的な覚え方

 実はドイツ語というのは英語の親戚ではあるが、ドイツ語独特の特徴として、2語以上からなる造語が多いことが挙げられる。英語では2語で表すはずのところを1語ですませてしまっていることが多いのだ。私は、それをまとめて覚えるようにしている。

 具体例をあげて説明しよう。例えば、ドイツ語の文章を読んでいて、Bildという単語にぶつかり、それが未知の単語だったと仮定しよう。ちなみに、Bildは「絵」「画像」「イメージ」という意味である。

 すると、「Bild」を単語カードの表面に書き入れ、裏面に「絵」「画像」「イメージ」と書き入れいる。

 多くの人は、これで終わりにするのではないだろうか。しかし、これだけでは効率が悪い。未知の単語1語にぶつかり、1語を覚えるだけで終わりになるからだ。

 このような場合、私はBildが含まれる造語も一気に単語カードに書き入れ、一気に覚えてしまうのだ。例えば、Bildの造語としては以下のようなものがある。

 Bildnisは「肖像」、Bildsharfeは「画像の鮮明度」、Bildschrimは「画面」、Bildschnitzerは「木彫家」、bildshonは「絵のように美しい」、Bildtelefonはテレビ電話」、Bilddokumentは「ドキュメント写真」…。

 実は、こういう造語は電子辞書を使えば一発で分かるのである。なぜなら、Bildと入れれば、Bildで始まる単語も一覧できるからである。ちなみに私は『SEIKO IC DICTIONARY 電子辞書 SR-V5010 英語/ドイツ語モデル 音声対応 』を使っているが、大活躍してくれている。

 それだけではない。私は造語だけでなく、同意語や反意語なども一度にまとめて覚えるようにしている。

 このように覚えていけば、ほかの人が2〜3語覚えている間に、私は楽に5〜10語も覚えられてしまうのだ。関連のない未知の単語を2〜3語覚えるよりも、造語や同意語、反意語を一気に覚えてしまえば、5〜10語でも遙かに簡単に覚えられるのだ。私が語学に強いのはこういう独自の覚え方を実践してきたからだ。

 私はドイツ語は青山学院大学で学び、卒業後しばらく経って4級に一発合格した。その後ずいぶん長い間遠ざかっていたが、昨年秋に3級に合格し、今年は2級に合格した。

 フランス語は、まったくの独学で勉強し、フランス語検定5級は一発合格。4級は一度挑戦したが不合格になった。もし来春、大学院に合格したら、来年の6月には4級に再挑戦したいと思っているくらいである。まったくの独学でも3級くらいまでならいけると思っている。

 実はスペイン語も、かじったことがある。イギリスの大学院で半年スペイン語の授業を受けていたのである。帰国してスペイン語検定6級でも受けてみようかと思っていたが、仕事があまりにも忙しくなりすぎたため受けていないだけである。ちょっとした挨拶程度なら分かる。

 私は、語学の勉強が嫌いだという人には語学の勉強は勧めない。なぜなら、膨大な時間がかかるからだ。しかし、語学の好きな人は、電子辞書という武器を片手に、私が披露した単語の覚え方を参考に、爆発的に語彙力をつけてほしい。語彙力さえつければ、自然と読解力もつくはずだからだ。出版翻訳家である私が自信を持ってあなたに語学上達の秘訣をお教えする。実は、その秘訣とは、一にも二にも、語彙力を増強させることだったのだ。