●『ミッション・経営理念』(社会経済生産性本部編・生産性出版)

 

 経営学の先生から、会社のミッションが収録してある本を紹介された。

「こういうの見ていると面白いですよ〜。みなさんも、ぜひ、見てみてください」

 とのことだったので、早速、ネットで購入したのが『ミッション・経営理念 社是社訓―有力企業983社の企業理念・行動指針 』である。

 なるほどなるほど、面白い。

 私たちは、多くの企業のお世話になっているわけであるが、それぞれどんな企業なのかというのは、自分が受けたサービスで判断しがちである。株をもっていれば、株価がどれくらいあがったかという観点から、いい会社だ悪い会社だというかもしれない。

 しかし、よく考えてみれば、その会社がどういう理念をもっていて、どういうことを目指しているのかということを抜きにして、その会社がいいとか悪いとか分かりはしないのだ。

 で、この本を読めば、ああ、なるほど、この会社はこういう理念を持っていて、日々、どういうことを目指しているのかということが明確に分かるのである。

 まあ、もっとも、社是といったものは、経営のトップは意識しているかもしれないが、平社員はどの程度認識しているかは分かったものではないが。かくいう私も、会社員だったころ、社是とか社訓とかあまり意識したことはなかった。もっとも、会社にいれば、自然と、その会社の風土はしみこんでは来ていたとは思うが。

 でも、やはり、会社を見る第一はこうした社是とか社訓であろう。

 例えば、ある会社の社訓は「仕事の鬼になれ」である。たったその一言だけである。

 またある会社の経営理念は「我々は、絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい「快」を提供する」である。

 なんとなく、こういう社是や経営理念だけを見ただけで、どんな会社なのか、なんとなく伝わってくるかのようである。

 さてさて、では、こういうのを見て何がいいたいのか。

 それは、自分のミッションを言語化するのに役立てようということだ。

 考えてみれば、私自身、自分のミッションを意識することはあっても、それを言語化したことはなかった。しかし、言語化しなければ、まるで煙のように霧消してしまうのがオチである。

 ということで、私は今、自分のこの世におけるミッションを言語化しようと考えているのである。

 あなたの、この世におけるミッションは何か? いったい何のために生きているのか? あなたはそれを言語化しているか?