●「ムカデ人間」

 この映画は、3人の人間を手術によってつなげてムカデ人間を作るというマッドサイエンティストの話です。

 どうやって3人の人間をつなぐかといえば、1人目の肛門と2人目の口、2人目の肛門と3人目の口をつなぎ合わせるわけですね。
 
 この辺が、なんともおかしいので、思わず、そんなことをしたら一体どんなになるのか、というのが興味をそそるわけです。

 ジャンルはホラーに入ると思いますが、怖いというより、興味をそそるとか、おかしい、奇抜だ、といった印象の強い映画です。グロテスクではありますが、怖さはそれほどありません。

、マッドサイエンティストの博士はハンニバル・レクターやジクソウのようなカリスマ性の高いキャラクターとは謳っているものの、やはり、造られたムカデ人間のほうに興味が集中しますので、その分、インパクトは欠けます。

 私は面白くない映画の場合、途中でDVDを止めることもあるのですが、この映画は最初から最後まで目が離せない映画で、そういう点では、いい映画といえます。

 また、面白かったのは、日本人が登場していて、ムカデ人間の先頭の1人にされてしまうことです。舞台はドイツですが、その日本人、最初から最後まで日本語で通しています。日本人が登場していることもあり、もし自分が同じ状況に立たされたら、なんて想像しながら見るのも面白いかも知れません。

 最初から最後まで目が離せないという点では高く評価したいのですが、ちょっとリアリティの欠ける設定という点がマイナスポイントでしょうか。『シャイニング』のようなリアリティたっぷりの映画だと心底恐ろしく感じますが、この映画は恐ろしさよりも奇抜さが際だつ作品です。

ジャンル=ホラー
お勧め度=★★★★
個人的評価 90点