●IELTS

 2009年10月24日。イギリスやオーストラリアに留学するときの入学審査基準となるIELTSの結果が返ってきた。(正確に言えば、WEBサイトで結果が閲覧・確認できただけで、書類としてはまだ返ってきてはいない)。

 IELTSは9点満点で、0・5点刻みで点数が付けられる。9点満点というのは、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングのすべての領域で満点か満点に近くなければならないわけで、これは日本人には不可能であろう。日本人ならバイリンガルの環境で育った人でも8.0点が限界ではないか。8・5点もちょっと考えにくい。

 ちなみにほとんどの大学・大学院では6・0点くらいで入学が許可されるようだ。例外的に高い点数を要求するケンブリッジ大学でも7・0点だ。ロンドン大学通信教育課程の場合は6・0点が要求されている。

 実は、私は留学前は、英語、英語、英語…という生活を過ごしていて、最終的に7・0点を出したことがあった。イギリス大学院留学中に、「がんばれば7・5点までは出るだろう」と思って受験したことがあったが、ギリギリ7・0点どまりだった。(あとほんのわずかで7・5点だった)。

 さて、今回の受験は、イギリス留学から帰国して13年経った後での受験である。帰国してから30冊近い本を翻訳して出したとはいえ、スピーキングやリスニングはそうとう錆びているだろうと思っていた。だから、私のピーク時の点数である7・0点はほとんど無理だろうと思っていた。もっとも、ロンドン大学通信教育課程で求められているのが6・0点以上なので、それをクリアできればそれでいいかな、と思っていた。

 ただ、正直なところ、6・0点もあまり自信がなかった。もしかすると5・5点もありうる、と思っていたのだ。なにしろ、13年間も英語をしゃべっていないのは大きい。

 しかし、結果を見てみると、7・0点が出ていた!

 正直、驚きだった。というのも、ピーク時のときの英語力と同じ点数が出たからだ。しかも、もっと驚きだったのが、スピーキングで7点が出ていたことだ。「え? 私が話す英語って、そんなにレベルが高く聞こえるのかな?」と思った。

 留学時の総合スコアが7・0点であることは覚えているのだが、スピーキングは7点も取れていなかったと思う。それが今回、不思議なことに7点が取れていたのだ。

 さて、これでロンドン大学通信教育課程の基準は突破した。

 成績証明書が送られてきたら、さっそくロンドン大学に提出する予定である。

 あと、これからIELTSを受ける人に伝授しておきたいのだが、事前に問題集を眺めておくといいだろう。実際に解く、解かないは別として、どういう出題傾向かということを頭に入れておくだけで、ずいぶん点数は変わってくると思う。特にライティングは、どういうことを書けばいいのかを知っておくのと知らないのとでは、雲泥の差が出ると思う。