●語彙力をつけて読解力を強化する

 英文を読んでいて、未知の単語が頻繁に出てくると嫌な思いをするのは誰もが同じことだと思います。

 もちろん、未知の単語の意味を電子辞書でいちいち調べたり、あるいは、文脈から推測したりしながら読み進めることもできます。

 しかし、未知の単語が少なければ少ないほど、英文を読む苦痛が軽減され、読みやすくなることに異論を挟む人はいないでしょう。

 つまり、語彙力をつければつけるほど、英文が読みやすくなり、英文を読む楽しさが味わえる可能性が高まるのです

 巷に数多く出回っている英語学習参考書には、「読んで読んで読みまくっているうちに自然と語彙力がつく」といった論調で書かれているものもあります。 

 たしかにそれも一理あるのですが、それは語彙力が相当ある人の場合に限られます。

 分かりやすい例でいえば、日本語の語彙力を増やそうと思っている(成人した)日本人に対しては「読んで読んで読みまくっているうちに自然と語彙力がつく」とは言えますが、日本語があまり読めない外国人に対して同じことは言えないですよね。

 (成人した)日本人は、少なくとも生まれたときからずっと日本語を使って来ていますし、小中高と国語の時間に何百回もの漢字テストを受けてきているのです。

 一方、そのような訓練を受けていない外国人は日本人と同じようには語彙力を吸収できないのです。したがって、コツコツと日本語の単語を覚えるという作業がどうしても必要なのです。

 面白味のない事実ですが、私たち日本人も、英語の語彙力をつけようと思えば、コツコツと英語の単語を覚えるという作業はどうしても必要なのです

 読解力を強化する上で、それだけはどうしても避けて通ることのできない道だと覚悟しましょう。