●目標があるから頑張れる

 かなり前になりますが、私はブログに、通信教育はコツコツ勉強していくことが重要だという趣旨のことを書いたことがあります。私が言わんとしたことは「試験前に一気呵成に詰め込むよりも、少しの時間でもコツコツ勉強していったほうが頭に定着しやすいし、理解度も深まる」ということでした。

 すると、その日のうちに次のようなコメントが付きました。

「わざわざ記事に書く価値もない常識ですね。私はコツコツ型ではありませんが、続けています。そもそもコツコツ勉強できる人には通信教育など必要ありませんよ」

 「通信教育はコツコツ勉強していくことが重要だ」というのは私の個人的な意見にすぎませんから、反対意見を述べてもらってもかまわないのですが、そのコメントの主は、私の記事を「書く価値もない」と貶した上で、「そもそもコツコツ勉強できる人には通信教育など必要ありませんよ」と論点をすり替えて、勝手に自論を展開していたのです。

 では、ここで改めて、コツコツ勉強できる人には通信教育が必要か否かという論点で考えてみることにしましょう。

 通信教育で学ぶ理由は人それぞれでしょう。学位がほしいから、資格がほしいから、純粋に学びたいことがあるから、教養を身につけたいから…。どんな理由であったとしても、それは人それぞれですから、否定はしません。しかし、「コツコツと勉強できるようになりたいから」という理由で通信教育を始める人がどれだけいることでしょうか。いたとしても、ごく少数ではないでしょうか。

 わかりやすいように、野球少年の例で考えてみましょう。

 少年がコツコツ野球の練習に励む理由は人それぞれでしょう。プロ野球選手になりたいから、甲子園を目指しているから、女の子にもてたいから、体力をつけたいから…。しかし、「コツコツ練習に励めるようになりたいから」という理由で野球を始める少年がどれだけいるでしょうか。そんな少年、ちょっと想像しにくいですね。

 もしも、「コツコツと勉強できるようになりたいから」という理由で通信教育を始める人がごく少数しかいないという私の推測が当たっているとすれば、「コツコツ勉強できる人には通信教育が必要か否か」は検討する必要がないということになりますね。わかりやすいように野球少年の例でいえば、「コツコツ練習に励める少年は野球が必要か否か」は検討する必要がないということと同じです。

 前置きが長くなりましたが、私がこの記事で何が言いたいことは、通信教育は学ぶ人にとって目標を与えてくれるものであり、目標があるからこそ頑張れるのだということです。そして、この私の主張から、頑張れる人は目標がなくても頑張れる、ということは導けないということです。
 
 実際、私自身痛感していることですが、一つの目標を達成してしまって目標がなくなってしまうとダラダラと時間を無駄に過ごすようになります。もちろん、勉強ができなくなるわけではありませんが、どうしてもだらけがちになってしまう。その点、通信教育で学んでいるときは、学位取得という目標ができるので、気分を引き締めて頑張れるのです。