志望校を決めよう

 
通信制の大学に入学すると決めたら、志望校を決めましょう。
 高校を卒業して初めて入学する通学課程とは異なり、通信制の大学では、その大半を独学することに費やすことになりますので、単に大学に対するあこがれや期待だけで選ぶより、自分に一番合った大学を選んだほうが賢明です。
 さて、志望校を決める際にいくつかポイントがあります。それをご説明します。

(1)学費および諸経費
 大学に支払う金額を把握しておくことは重要ですが、忘れてはならないことは、大学に支払う金額以外にも諸々の費用がかかることです。
 例えば、参考書代がかかります。また、スクーリングを受けるために泊まりがけで行かなければならないような場合は交通費や宿泊代もバカになりません。
 さらに仕事や病気などで予定よりも数年、卒業が長引く場合もあります。その辺も十分考慮した上で、実際に学費が払っていけるかどうかを考えてみましょう。
 せっかく入学して、がんばって単位を積み重ねても、途中で学費が払えなくなって中退という人もいるようです。それが必ずしも悪いことだとは言いませんが、後で後悔しないよう、あらかじめ学費が払えるか否か十分に検討しておきましょう。

(2)授業(スクーリング)の出席しやすさ
 通信制といっても、授業(スクーリング)も何単位かは必修になっている大学がほとんどです。
 ですから、特に社会人は、実際に授業に出席できるか否かを考えておきましょう。
 例えば、慶應大学の場合は、日吉キャンパスと三田キャンパスでしかスクーリングがありませんから、地方から受講する人は、わざわざ泊まりがけで授業に出席しなければなりません。これは経済的にも時間的にもかなりの負担になります。(注、現在では大阪でもスクーリングが始まっているようです)。
 その点、日本大学などは、地方でもスクーリングを開催していますので、地方の人の負担は少なくてすみます。
 自分が志望する大学でスクーリングに出席することを想定して、それがどの程度負担がかかるのか、実際にその負担を乗り越えられそうかを吟味しておくといいでしょう。

(3)卒論があるか否か
 卒論が必須な大学もあれば、必須でない大学もあります。
 書くのが苦でない人、あるいは、書くテーマが見つかっている人にとっては卒論があったほうが張り合いがあっていいでしょう。
 しかし、逆にいえば、そうでない人にとっては、かなり負担の大きい作業になります。
 実際、卒論以外の単位はすべて取得しながら、卒論が一向に進まず中退したという人も少なくありません。
 卒論があるのかないのか、あるとしたら、本当に自分に書けそうなのか、その辺もある程度吟味しておいたほうがいいでしょう。
 これは大変重要です。けっして甘く見ないでください。