●有名大学にするか自分に合った大学にするか

 志望校を決める際に、その大学でなければ学べない学科であるなどといった事情がなければ、多くの人は有名大学に惹かれてしまうことでしょう。

 学費も同じ程度、学ぶ内容も同じということであれば、たとえ通信課程でも、せっかくなら、聞いたことのないような無名な大学よりも誰もが知っている有名大学のほうがいいと思うのはむしろ自然なことだと思います。

 しかし、通学課程の偏差値が高い大学であればあるほど卒業しにくいというのは風評としても定着しているようです。

 たとえば、通信課程をもっている有名大学には慶応大学、中央大学、法政大学などがありますが、いずれも卒業するのは困難というのは、在学生や卒業生のHPやブログなどでも容易に推測できます。

 逆に、有名大学ではない大学の場合、卒業がそれほど難しくなさそうな大学があるということも風評であるていど推測できます。

 問題は、卒業できるかどうか自信がなくても強いて有名大学にするか、それともなんとか卒業できそうな自分に合った大学にするかということです。

 価値観は人それぞれですから、最終的には自分の好きなようにするのが一番です。

 無名の大学でもいいからきちんと卒業したほうがいいと考えるか、無名の大学を出るくらいなら有名大学に挑戦して失敗したほうがまだマシと考えるか、人それぞれの考え方です。

 ただ、ひとつだけ注意しておきたいことは、自分の実力を吟味せずに安易な気持ちでレベルの高い大学に入学して中退してしまった場合、「私は自分で決めたことができなかった」という過去ができてしまうことです。

 もちろん、中退が絶対にいけないというつもりもありませんし、本当にやむを得ない事情で中退せざるをえない場合もあるでしょう。

 しかし、中退するということは、「見通しが甘かった」という証拠でもあるのです。どんな事情があれ、中退は中退です。途中で夢を諦めたということです。そしてそういう過去ができてしまうことは本人にとっても望ましいことではないと私は考えます。

 どの大学にするかは本人しだいです。しかし慶応大学を中退している人を何人か見てきた私からすれば、無理に難しい大学に入るよりは、自分に合った大学に入ってきちんと卒業したほうが自分にとってもよいのではないかと思えてしかたないのです。