●通信制の大学って、勉強になるの?
通信制の大学に入学するか否かを迷っている人の中には「はたして通信課程で勉強したとして、勉強したことが身に付くのだろうか? こういうのはやっぱり講義を受けなければ身に付かないのではないだろうか?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここではその点について考察してみたいと思います。
私は慶應義塾大学、日本大学、ロンドン大学の通信課程を出ているほか、通学課程の大学・大学院を複数出ていますが、通信課程と通学課程の両方を経験した者として言えば、少なくとも文系の科目に限れば、通学課程よりもむしろ通信課程のほうが勉強になるような気がします。
もちろん、通学課程は通学課程でしか修得できないものも数多くあることは言うまでもありませんが。
では、通学課程と通信課程を勉強という点だけで比較してみましょう。あくまで文系ということでお考えください。
通学課程の場合、1人の先生が多数の学生に向かって講義をするという形式がほとんどです。たまに学生が生徒に質問をしたり、学生が先生に質問をするということもあるでしょうが、基本的には先生が一方的に話し、それを学生がノートに書くという形でしょう。
レポートにしても、提出したら終わりのケースが多いでしょう。添削して返してもらえることなどほとんどないでしょうから、どこが良くてどこが悪いかが分からないままになります。
つまり、ゼミ以外は、ほとんど一方通行の学習ともいっても過言ではないのです。
その点、通信課程の場合、スクーリング以外は、テキストを自分で勉強し、レポートの課題に取り組むことが要求されるわけですが、提出したレポートは必ず添削されて返されます。
良かった場合はどこが良いか、悪かった場合はどこが悪いかが指摘され、合格基準に達するまで何度でも書き直すことが求められるのです。
学生は大量のレポートを仕上げていく上で、否応なく先生とのやりとりをすることになります。一見すれば、単なる独学のように思える通信課程ですが、実は双方向の「授業」が行われているともいえるわけです。
私はこの双方向の「授業」は、先生が一方的に話す講義形式の授業よりも、学んだ内容が身に付くのではないかと思っているのです。
まだ一度も大学を出ていない人であれば通学課程を選んだほうがいいと思います。通学課程では勉強だけでなく、勉強以外のことも学ぶことが多くあるからです。
しかし、すでに社会人になっている人で、とにかく勉強したいという人であれば、通信課程のほうが勉強ができると思います。とにかく書く力がものすごく着くのは間違いないでしょう。
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