●英語が好きな人はロンドン大学遠隔教育

 英語を学習する目的は人それぞれでしょう。しかし図書館などで英検やTOEICの問題集に必死に取り組んでいる人を見かけるたびに、各種英検の受験が第一の目的となっている人も多いのではないかと思います。

 それがいけないと言うつもりはありませんが、合格やスコアアップを第一の目的にしてしまうと、合格またはスコアアップ後、英語を学習するモチベーションが維持しにくくなると思います。

 例えば、英検の場合は1級合格、TOEICの場合は目標のスコアを取得してしまうと目標がなくなってしまいます。もちろん、目標達成後にケンブリッジ英検やオックスフォード英検など別の英検を目指すとか、TOEICなら満点を目指して受験し続けるということもできないわけではありません。

 しかし、(英語を一つの言語として学問の対象にしている人を除けば)英語はコミュニケーションのツールでしかなく、各種英検はあくまでそのツールをどれほど使いこなせるかを測定するために存在しているに過ぎません。

 英語のスキルを一定レベルに維持し続けことはそれなりに意義があるといえますが、各種英検の合否やTOEICのスコアに拘って問題集ばかり取り組むことはそれほど意義のあることとは思えません。

 一定の英語力(例えば英検準1級レベル)を身につけた暁には、そのツールを活かした別のことをしたほうが遙かに有意義というものです。というのも、問題集に取り組むことで得られる情報は非常に限定されたものだからです。

 例えばTOEICの読解問題は英語力を測るために作られた文章ばかりなので、いくら問題を解いても有益な情報を得ることはできません。当然、そのような学習が楽しいと思う人は少ないでしょう。
 
 そこで、もっと楽しみながら英語を学びたいという人にお勧めしたいのが英語圏の大学の遠隔教育です。特にお勧めしたいのは、目標としていた各種英検に合格してしまってモチベーションが低下している人たちや、各種英検に向けて勉強しているもののモチベーションが続かずに行き詰まっている人たちです。英語で専門科目を学べば専門知識が身に付くだけでなく、副産物として英語力が維持・向上できるので、まさに一石二鳥です。

 英語圏の大学の遠隔教育は思いも寄らなかったという人も多いでしょうし、思いついていたとしてもその負担を考えると真剣に考えられなかったという人もいるでしょう。そこでお勧めしたいのが私が学んだロンドン大学の遠隔教育です。なぜならロンドン大学の遠隔教育は他の大学のそれと比べ負担が意外に少ないからです。

 第一に、入学審査時から卒業まで海外に一歩も出ることなく国内だけで学習が可能な学部が多くあります。

 第二に、年一回の最終試験のみで評価される科目がほとんどなので、年間を通じて時間を自由に使って勉強できます。そのような科目に関していえば、授業もレポートもありませんので、拘束される時間は最終試験日の試験時間帯だけです。

 第三に、学費が比較的廉価であることです。履修する科目数にもよりますが、年間トータルで10万円強〜20万円程度ですみます(テキスト代や参考書代は除く)。

 第四に、学部なら最短で3年で卒業可能ですし、その他にも最短1年または2年で終了できる課程がある学部もあります。しかも1年で終了できる課程でも終了証書を出してもらえるので、終了した暁にはそれなりに達成感を味わえます。

 第五に、一年間に履修する科目数は自由に設定でき、1科目だけでも受講可能です。しかも1科目だけでも科目履修生扱いではなく正規生扱いとなりますので、単位を積み重ねていけば卒業(又は終了)も可能です。

 次にロンドン大学遠隔教育のメリットを挙げてみましょう。一番大きいのは専門知識が得られることです。学位取得まで至ればそれが公に証明できるのでそれに超したことはありませんが、仮に学位取得に至らなくても学べば学んだだけ専門知識は増えるわけですから、学んで損をすることはありません。もちろん遠隔教育で学ばなくても独学で専門知識を増やすことは不可能ではありませんが、やはり漠然と好きな本を読み続けるよりも、カリキュラムに沿って学んだほうが効率良く勉強できるというものです。

 二番目のメリットは、精読の力がつくことです。英検やTOEICなど英語のスキルを測る各種英検に向けて勉強する際、同じ英文を何度も読み込むことはあまりないでしょう。一方、遠隔教育の場合、試験では英語のスキルそのものが問われるのではなく、専門知識が問われるのですから、テキストや参考書を何度も精読して専門知識を頭にたたき込んでおかなければならないわけで、嫌が応にも精読の力が付きます。

 三番目のメリットは、遠隔教育で学んでいると、読むべき本や読みたい本が次々と見つかるということです。各種英検に向けて勉強する場合、次々と読むべき英文を探さなければなりません。数冊程度ならすぐに見つかるでしょうが、何十冊となると探すのに一苦労します。英字新聞や英文雑誌を読み続けるという手もないわけではありませんが、それが深い知的好奇心を満足させてくれるかといえば疑問符を付けざるを得ません。一方、遠隔教育で学べば、読むべき本はリストされていますし、それらを読んでいれば次から次へと興味が湧いてきて読みたい関連書籍が自然と見つかります。また英語を情報収集のツールとしてより、思考のツールとして使うことになりますので、英字新聞や英文雑誌を読む場合とは異なった知的快感が得られます。

 四番目のメリットは、ロンドン大学という歴史のある大学の卒業証書又は終了証書が得られることです。証書自体にはそれほど価値は無くても、最後までやり抜いたんだという自信が得られることは、その後の人生にとって大きな無形財産となります。権威だけを欲しがってディプロマ・ミル(証書製造工場)といったニセの大学で証書を金で買う人もいるようですが、ロンドン大学遠隔教育は150年以上の歴史に裏付けされたカリキュラムが組まれており、卒業証書又は終了証書はれっきとした実力の証左となります。

 日本人の受講生の少なさから考えると、この制度自体がまだあまり知られていないのではないかと思いますが、目指しさえすればロンドン大学で学位やディプロマが取得できる人も潜在的には数多くいるのではないかと思います。

 日本国内だけで比較的廉価で学習ができ、専門知識や英語力が磨かれ、しかも学位も取得可能なロンドン大学の遠隔教育は、英語が好きな人にはたまらない知的冒険の旅を提供してくれることでしょう。各種英検の合否やスコアに拘ることを否定するわけではありませんが、遠隔教育における学習は各種英検の問題集に取り組むより何倍も興味深いものだと思います。興味のある人は以下のロンドン大学遠隔教育の公式サイトを覗いてみることをお勧めします。