●英語は私の「恋人」

 私は中学、高校のころから英語が好きで、特に22才頃から留学する直前の29歳くらいまでは、ほとんど毎日、英語の勉強をしていました。

 まさに英語が「恋人」だったわけです。

 友人たにちも、「僕は英語と結婚する」なんて言っていた時期すらありました。それくらい英語が好きだったし、英語がペラペラしゃべれるようになることに憧れていました。

 いろいろな英語関連資格もうけまくっていましたね。

 ところが、その「恋人」のはずの英語が、留学したとたん、自分の「女房」にでもなったかのように、「当たり前」に存在してしまったためか、恋心が薄れてきて、2年間の留学から帰国するころには、「恋人」でもなんでもなくなっていました。

 やはり手に入らないからこそ「恋人」なのであって、毎日簡単に手に入るものには「恋心」は薄れてしまうものですね。

 (もう英語の勉強なんか、いいじゃないか、英語なんてしゃべれたからって、それがなんなんだ)

 って感じになってしまい、英語の勉強をしなくなっていました。 

 ただ、翻訳家として英語を仕事で使ってはいましたから、英語力がそんなに錆びることはありませんでした。

 しかし、リスニングはさぼっていましたから、その錆びはけっこうなものでした。もう、まったく英語を聞くことに自信がなくなってしまっていました。

 しかし、帰国して15年以上もたったいまでは、また英語が「新恋人」になっています。

 留学前の「恋人」状態と比べれば、かなり落ち着いたものですが、でも、恋心はあります。まあ、それだけ英語が身近な存在ではなくなったということでしょう。

 英語を聞きながら寝る、英語を聞きながら電車移動する・・・ 英語に接することができるとワクワクします。

 私は英語を「恋人」にして、本当に良かったと思っています。

 情熱を傾けられるものがあるって、幸せですよね?