2012年5月ロンドン大学(通信課程)最終試験受験体験記 

○5月11日、ロンドン大学遠隔教育3年目の最終試験の初日でした。
 受験科目は「宗教哲学」。
 午後2時から5時の3時間の論述試験です。
 1時40分ごろ、会場に着くと、すでに西洋人とおぼしき男性が5名待合室で参考書類を眺めていました。
 全員、中年といった風情です。
 私が待合室に到着して数分後に、日本人女性とおぼしき人が1人きました。
 結局、当日午後のセッションの受験生はこの7名だったのではないかと思います。
 ただ、科目はみな異なるようでした。哲学は私一人だったのだと思います。
 
 さて、さっそく試験内容ですが、宗教哲学はほかの科目と異なり、非常に範囲が広いため、ほかの科目だと12問程度の中から3題を選んで解答というところ、16題も問題がありました。
 いつもなら、12問程度問題があっても、答えられそうなものが3問か4問しかないので、すぐに解答すべき質問が決まるのですが、今回は解答できそうなものが6問もあったので、どの3問にするかを決めるのに15分くらい悩みました。
 でも、悩んでいても、どんどん時間が過ぎ去るので、とりあえず、1問目は「悪の問題」に関する問題に取り組みました。1時間かけて4ページにおさめました。
 さて、残り1時間40分で2題を解かなければならなくなりました。最初にどの問題に取り組むかを悩んでいたため、ペースが崩れたので、急がなければなりません。
 2問目は「神の全能」に関する問題を選びました。これを40分かけて5ページにおさめました。
 3問目は、悩みに悩んだあげく「神の存在証明」に関する問題を選びました。これを1時間で4ページにおさめました。
 本当は「魂の不滅」に関する問題に取り組みたかったのですが、ストレートな質問ではなかったので、やめておきました。
 まあ、書くだけ書いたので、合格最低点はもらえるのではないかと期待していますが、私の期待どおりになるか否かは結果を見るまではわかりません。
 試験を終えたあとは清々しい感じにひたれます。結果はどうであれ、1年間、自分なりに最善を尽くしてきたので、自分で自分に「よくやった」と声をかけてあげようと思います。

○3年目の2科目目は5月16日でした。
 科目は「美学」。
 美学では、美とは何か、美は客観的な物差しがあるか主観的なものにすぎないのか、美術作品が社会に与える影響は何か、美術作品の解釈の仕方などなど、美について様々思考する学問です。
 初めて学ぶ学問でしたので、正直、半年間、なかなかエンジンがかかりませんでしたが、ラスト1週間くらいから、徐々に見えてきた感じでした。
 さて、試験場につくと既に7名の人が待合室にいました。後でわかったことですが、このうちロンドン大学の試験を受けに来ていたのは、私を含め3名でした。やはり、日本では、まだまだ認知度が低いのでしょうね。日本にいながらにしてロンドン大学の学位が取れる可能性があるわけですから、もっと多くの日本人にお勧めしたいです。
 さて、肝心の試験ですが、16問のうち3題を選んで3時間で論述するという、いつものパターンです。
 16問を見まわしてみて、解けそうな問題は4題、無理をすれば何か書けるかなという程度の問題が2題でしたので、割と早く自分が解答する3題を決めることができました。
 アリストテレスに関する問題、ヒュームに関する問題、プラトンに関する問題でした。
 個人的にはカントの美学に感動しているので、なんとしてもカントの問題に挑戦したかったのですが、ちょっと書きにくい問題のような気がしたため、カントには手をつけませんでした。
 それぞれダブルスペースで5枚、5枚、5枚という分量を書きました。(ただし、最後の「5枚」というのはシングルスペースで2枚半書きました。余分の冊子をもらってもよかったのですが、余分の冊子をもらうと、閉じ紐でつなげたりしなければならないようなので、1冊の冊子で済ませようとして、最後の1題はシングルスペースで書きました。)
 分量自体としては、合格点をもらってもよいだけの分量にはなっていると思いますが、問題は解答がジャストミートしているか否かです。
 試験結果が来るまではまったくわかりません。
 今日の試験が終わって、残りは1科目となりました。
 ずいぶん、気が楽になりましたが、まだまだ気を抜いていい時ではありません。今年3科目受験中3科目のすべてに合格すれば無事、哲学部卒業ということになります。
 3日目の試験まで全力投球を続けます。
 
○3年目の3科目目は3月22日でした。
 科目は「方法論」。「方法論」とは日本では個別の科目として扱われていないようですが、「科学哲学」のうち、特に認識論を扱った分野です。
 会場に着くと、すでに7名の受験生が待合室で待っていました。女性も半数くらいいました。
 さて、肝心の試験のほうですが、12問の中から3題を選んで論述という、いつものパターンです。
 出題内容もだいたい予想どおりでした。
 私は5題くらい解答できるように準備していましたので、そのうち得意な3題を選んで解答しました。
 その3題とは「帰納法の問題点」ぶ関する問題、「自然法則」に関する問題、「科学と非科学の境界線」に関する問題です。
 3時間の間、ずっとペンを走らせていましたが、そうそう書けるものでもなく、いつものとおり、4枚、5枚、5枚といった程度の分量しか書けませんでした。
 でも、昨年までの全科目もだいたいこれくらいの分量の論述で一応合格点を頂いているので、今年もなんとか合格点はいただけるのではないかと期待しています。
 まあ、まだ結果が来ないとどうなるかわかりませんけれど。
 
○総評
 私はロンドン大学遠隔教育を非常に気に入っており、哲学部を無事卒業できたら、引き続き、別の学部で勉強したいと思っています。いろいろ検討しているのですが、絶対条件として、授業が必須となっていないことと卒論が必須となっていないことの2つを考えています。
 現時点では、神学部のサーティフィケート課程にしておきたいなと考えているところです。神学部卒業には卒論が必須ですが、最短で1年で終了可能なサーティフィケート課程にしておけば、無事終了できれば、サーティフィケートの証書がもらえるからです。証書がほしいからというより、一応、課程を最後までやりぬきたいわけです。ただ、聖書の科目があり、難しそうだな、私にできるのかなという不安があるので、もうしばらく検討してみます。