2010年5月ロンドン大学(遠隔教育)最終試験受験体験記 

○5月12日(水)
 私にとってロンドン大学最終試験の初受験の日でした(ただし、専攻や受験科目によって人それぞれです)。

 試験は午前10時から午後1時までの3時間。試験開始30分前までにブリティッシュカウンシルへ行くことになっています。

 9時20分頃、ブリティッシュカウンシルに到着すると、2名の外人がロビーで話していました。

 ロビーの椅子に座って待っていると、ぞろぞろと受験生らしき人が入ってきました。すべてで10名程度でしょうか。そのうち、過半数は外人でした。聞こえてきた話の内容から、遠方から受験しに来た人もいたことが分かりました。

 9時40分頃、受験場となる部屋に入室させられましたが、その部屋には私を含めて3人の受験生しかいませんでした。

 この3人はロンドン大学の試験を受けていることは判明しましたが、ロビーにいた他の人たちは、もしかしたら、別の大学の試験を受けに来ていたのかもしれません。

 私の試験科目は「論理学」。他の2名は別の科目でした。

 3時間の論述試験ですから、勉強しているか否かが如実に現れます。まぐれで合格ということはまずありえません。私の場合、3問とも書いたことは書きましたが、1問はほんのわずかしか書けなかったので、どういう採点がなされるか不安です。ただ、勉強したこと自体は良かったと思っているので、不合格であったとしてもそれはそれでいいと思っています。

○5月14日(金)
 この日は「ギリシャ哲学」の試験日でした。ロビーに待機していた受験生は数名だけで、私と同室の受験生は用意された机の数から2名のみとわかりました。
 しかし、そのもう一人の人は欠席したため、結局、私の部屋では私一人だけで受験しました。つまり、私の部屋では受験生1人、試験官1人だけでした。
 肝心の試験に関してですが、初日の「論理学」よりはできは良かったように思えました。というのも、とりあえず解答用紙を最後まで埋めることができからです。慶応大学の卒論でプラトンを扱っていた関係でプラトンの作品は数多く読んでいましたので、ある程度とりかかりやすい科目といえました。
 3題選択のうち、プラトンを2題、ソクラテスを1題選択しました。

○5月17日(月)
 この日は「哲学入門」の試験日でした。この「哲学入門」は哲学部のディプロマコースの必須科目で、ディプロマコース終了後に学部にトランスファーしても、単位認定にはならない科目です。いわば、哲学の初歩の初歩のコースということで、これに合格できないようでは、学部で学んでも実り少ないともいえる科目でしょう。だからこそ、私としては絶対に合格したいという思いでした。
 選択したのはデカルトを2題、ミルを1題。テキストをしっかり読み込んでいれば、できない問題ではありません。

 一応、解答用紙にめいいっぱい書きましたので、試験が終わった後はとても清々しい気持ちになりました。

 私と同じ部屋には受験生が4名いましたが、私以外の3人はみな外国人でした。

○5月19日(水)
 この日は「倫理学の歴史的側面」の試験日でした。この日が私にとって最後の受験日となります。

 試験が終わったら、さっそくサウナにでも行って、おいしいビールでも飲もうという気持ちで受験場に向かいました。

 準備はいろいろとしていたのですが、結局は、カントを2題、プラトンを1題選択しました。できは、まあまあといったところでしょうか。とりあえず、解答用紙はいっぱい埋めてきました。

 私以外の受験生は3名、すべて外人でした。このうち2人は2時間の試験であり、私ともう一人が3時間の試験でした。

○総評
 ロンドン大学通信教育は、英語が得意たという人、または英語をブラッシュアップしたい人で、なおかつ、取り組んでみたい学問分野がある人なら、ぜひおすすめです。

 学費もリーズナブルですし、日本国内だけで勉強して学位取得が可能です。

 英語を単にスキルとして磨くのではなく、英語で学問に取り組むことこそ英語力アップのもっとも楽しい道といえます。

 ただ、平日に仕事が入っている人で、休みが自由にとれない人は受験ができないリスクがあります。試験は平日の昼間にありますし、しかも、ロンドン大学から一方的に決められてしまうので、仕事が休めない人は受験もできなくなります。その点、私はフリーランスなので、受けることができて満足です。

 運良く哲学部を卒業できたら、次は神学部に進学しようかなどと思う今日このごろです。