●IT時代の文筆家のなりかた

 日本でのブログ元年は2004年だといわれていますが、今やすっかりブログが日本に浸透しました。

 たしか2008年だったと思いますが、ブログを開設している日本人の数が1000万人を超えたという噂も聞きました。ほぼ10人に1人は開設しているという計算になります。
 
 ブログはITに疎い、まっとくの素人でも、ほんのわずかの時間で開設できます。

 開設に自信のない人は、すでに開設している友人に聞いたり、あるいは、ブログ開設のセミナーにでも参加するなりすれば、すぐに開設できます。しかも無料で開設できますし、運用にもそれほど知識はいりません。

 これはどういうことかといえば、何かを書いて世間に公表したいと思えば、ブログを開設すれば、すぐにできるということです。

 たとえば、料理が好きで自分のレシピを世間に公表したいと思っている人であれば、その日のうちに公表できるのです。あるいは、投資について何か意見があってそれを公表したいのなら、その日のうちに公表できるということです。

 一冊の本にして公表する(あるいは、本とはいわなくても何かの雑誌に記事として公表する)というのは、まだ経験したことのない人にとっては一つの夢だと思います。

 というのも、一冊の本になる(あるいは、記事になる)というのは、それなりに評価されているという証拠になるからです。ブログとはステイタスが全然違うわけです。

 ただ、ご存じのとおり、今は未曾有の出版不況といわれる時代です。ITが社会に浸透することによってますます本が売れなくなり、多くの出版社が悲鳴をあげはじめているのです。これはどういうことかというと、従来以上に本を出すことが難しくなったということです。

 本を出す(あるいは、記事として公表する)という夢をもつのがいけないというつもりはありません。

 しかし、本当に書くのが好きで、本当に公表したいことがあるのなら、別に形にこだわらなくてもいいとも思います。本当に内容のあるブログであればそれなりにファンもつくと思いますしね。

 ブロガーも立派な内容のブログを公表しているのなら、それはそれで立派な文筆家と言えるでしょう。