●「幸せのきずな」

 この映画は、自分のアイデアを巨大企業に盗まれて商品化されてしまった大学教授が特許権をめぐって法廷闘争する実話をもとにした映画です。

 見終わった後、「いい映画だったなぁ」としみじみ思える映画が少ない中、「ひさびさにいい映画を見せてもらった」と感じにさせてくれた映画でした。

 この映画のテーマは、正義とお金とどちらが大切なのかです。
 
 不正をとことん糾弾するか、不正に目をつぶって多額な和解金をもらってすませるか。

 こういう二者択一の選択を迫られたら、きっと多くの人は、お金をもらって和解しようとすると思いますね。というのも、この世に生きていく上でお金は相当の魅力をもっていますからね。

 アイデアを盗んだ巨大企業は裁判に負けることを恐れ、莫大な和解金を提示し、主人公の大学教授は弁護士からこうたしなめられます。

「相手側はこんなに高額な和解金を提示してきているんだ。これ以上、闘っても勝てる保証はないのだから、和解金をもらっておいたほうがあなたの身のためだ。仮に裁判で勝ったとしても、この和解金ほど取れないかもしれないんだよ」

 しかし、大学教授は毅然とした態度で和解を断ります。
 自分のアイデアを盗まれた無念さをなにが何でもはらしたかったのでしょうね。彼は言います。

「これは金の問題ではないんだ」

 しかし、正義を貫きとおすことはときに厳しいこともあります。彼は弁護士に見捨てられただけでなく、奥さんにも家族にも理解が得らず、一人で闘っていくことになります。
 
 それはまさに茨の道。意外なところで意外な落とし穴があり、一見順調に見えた裁判も逆に不利な状況に。

 そして12年の歳月を経て結論が出ます。

 結論は見てのお楽しみ。

 ジャンル=法廷映画
 お勧め度=★★★★★
 個人的評価=90点
 英語学習として=★★★★★(セリフが多いので英語学習に適しています)