●最も重要なことから先にやる
 
 社会人にもなると、一日の大半は仕事に時間を奪われますから、自由時間は極めて限られます。
 しかも、その限られた自由時間の中から、「夫としての時間」「父親としての時間」「友人としての時間」などを作らなければならないわけですから、「自分自身のための時間」はさらに少なくなるでしょう。

 それで多くの人は、時間がいくらあっても足りないと嘆くことになるのです。

 しかし、誰にも一日24時間しか与えられてないというのもまた真実です。

 なのに、片方では驚くべき業績をあげる人もいれば、何もしないうちに一年があっという間にすぎたという人もいるのです。

 その違いはどこにあるのでしょうか?
 
 時間の使い方がうまい人は、「最重要なこと」を最優先してやっているのです。

 言い換えれば、「そこそこ重要なこと」であっても、「最重要なこと」があれば後回しにし、場合によっては手を出さないのです。

 「重要でないこと」に手を出してはならないことは誰にでも分かるでしょう。

 しかし、時間をうまく使うコツは、「そこそこ重要なこと」に手を出したくなっても、まず先に「最重要なこと」をやるということです。
 言い換えれば、「そこそこ重要なこと」と「最重要なこと」のどちらか一方だけ選択できるとしたら、「最重要なこと」だけをするということです。

 これは一見、簡単そうに思えますが、実は困難なことです。
 なぜなら「そこそこ重要なこと」だけ考えれば、「やったほうがいい」ことに違いないからです。

 例えば、英会話も習っておいたほうがいいでしょう。
 パーティに誘われたら、参加することもいいことでしょう。
 接待ゴルフも仕事の一つだと思うのならゴルフの練習もしておいたほうがいいでしょう。
 ベストセラー小説も読んでおいたほうがいいでしょう。

 こういう「やっておいたほうがいい」ということはごまんとあるのです。
 こうした「やっておいたほうがいい」ということをしてはいけないというのではありません。
 してもいいのです。
 いや、したほうがいいのです。

 しかし、このような「そこそこ重要なこと」に手を出しすぎると、「最重要なこと」をする時間がなくなることを肝に銘じておくことです。
 けっして「最重要なこと」を犠牲にしてまで「そこそこ重要なこと」に手を出さないことです。
 「そこそこ重要なこと」は「最重要なこと」をし終えた後ですればいいことなのです。

 そういう習慣を身につければ、時間の使い方が劇的に変わります。