●語彙力とリスニング力

 リスニング力をつけるには、とにかく聞いて聞いて聞きまくことが重要です。

 ただ、見たことも聞いたこともない英単語を、その意味が類推できない脈絡の中で何度聞いたところで、意味が分かるようにはなりません。

 たとえば、I was irate. という英文を聞いたとしましょう。

 日本人の耳には「アィワズアィレイト」に近い音が聞こえてくるでしょう。
 
 しかし、「アィレイト」の意味が分からず、その意味が類推できない場合、何度、「アィワズアィレイト」という音を聞いたとしても、意味が分かるようにはなりません。というより、スペリングさえも判明しません。

 意味が分かるようになるには、何らかの方法で「アィレイト」=「激怒している」という関連づけがなされなければならないわけです。

 その関連づけを、ただ聞くことだけに頼っていては、効果は薄いでしょう。

 もちろん、例外はあります。

 たとえば、「I was irate. I mean I got very angry.」とでも言ってもらえれば、「なるほど、irateはvery angryという意味なんだな」ということが分かります。

 ただ、ほとんどの場合、英語を聞いているだけでは語彙はなかなか増えないものです。

 それは「irate」の意味を目で覚えようとする場合と耳だけで覚えようとす場合を比較して考えてみれば分かるでしょう。

 したがって、リスニング力を伸ばそうと思えば、聞いてすぐに分かる英単語の量を増やす必要があり、語彙力をつけることがリスニング力を伸ばすことにつながることが分かるでしょう。

 上の例で言えば、「irate」=「激怒している」ということを目で覚えてしまえば、「アィワズアィレイト」と聞こえて来ても、その意味が一発で分かるようになるということです。