●業界誌の連載が決まった!

 20代前半に投稿の楽しさに目覚め、次々と投稿するようになりました。

 投稿先は、英語の学習雑誌が主でした。

 といっても、もちろん、掲載されないことの方が多く、たまに掲載されては喜び、その後はボツ続き、忘れた頃にまた掲載され、またまたボツ続き・・・ということの繰り返しでした。

 しかし、こういうことを繰り返していると、徐々に書き慣れてくるものです。やがて、私は、うまいとはいかないけれど、それなりの文章が書けるようになっていました。

 27歳の頃、私は、翻訳の業界誌へ投稿を続けていました。

 その業界誌には投稿する人が少なかったのか、私が投稿した文章はかなりの確率で掲載されていました。

 といっても、謝礼は一切ありませんでした。他の英語学習雑誌に掲載された場合、謝礼として図書券が3000分送られて来たりしたのですが、その業界誌はそれほど発行部数も多くないせいか、謝礼というものは出ませんでした。

 しかし、私にとっては、自分のエッセーが掲載されるのが嬉しくて嬉しくて、次々と投稿を繰り返していたのです。

 掲載されたエッセーの数も5、6回になった頃、その業界誌を発行している団体から、エッセーを連載してくれないかと相談を持ちかけられました。

 私は、飛び上がりたくなるほど嬉しくなりました。

 私が書いたものが私の名前で毎月掲載される。それが保証されている。

 当時の私にとって、それはそれは嬉しい出来事だったのです。

 「さあ、翌月は何を書こうか」

 必ず掲載されることが保証されているのですから、ますます書く気になります。ボツにされる確率の高い投稿文を書くのより、何倍も書く気になるのは当然でした。